6/2桶川市で、木村真三先生(獨協医科大学准教授)の講演会 が行われました。
参加した『すこやかさいたま』スタッフから、内容のシェアです。
また、5/25に宇都宮で行われた木村先生の講演内容がtwitter上で紹介されていましたので
こちらも参考に
http://togetter.com/li/316009
講演内容についての判断はそれぞれでお願いします。
以下。
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6/2、桶川で行われた木村真三先生(獨協医科大学准教授)の講演会
「一から学ぶ放射能」に行ってきました。
NHKのETV特集『ネットワークで作る放射能汚染地図』でお馴染みなので、
ご存じの方も多いかと思います。
現在月の1/3はウクライナ、国内では二本松を拠点に活動しているお忙しい中での、
貴重な市民向け講演会でした。
放射能の基本部分はご本人監修の本「放射線になんか、まけないぞ!」に沿ってお話しされました。
それ以外の部分で、メモできた範囲で共有します。
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【冒頭】
・自分は事実を伝えていく、本来は壇上に立つ人間ではない、自分がここにいることは望ましくない
・「御用学者」などと批判する人がいるが、それは受け手の心の持ちようでも変わる。何をもって判断出来るのかと思う
・自分で判断できる人間を増やす(育てる)為に、市民科学者養成講座(小学生向けにキュリー学園初等部)の活動をしている
【汚染と人体への影響】
・日本全国、広く薄くではあるが汚染された。京都の五山の送り火、岐阜の花火大会など、ほとんど汚染がないのに、敬遠された。あれは風評被害
・福島はチェルノブイリにはならない、救えるのではと感じている。チェルノブイリの被害は、身体的なもの(直接的な病気など)と 心因性のもの(ストレスによるアル中・自殺など)が大体1:1。今回は心因性のものの方が多く出ると考えている
・(上記の理由として)正確な情報が行き届いていない、モニタリングポストは除染した場所に置いてある、そういうことをするから信用されなくなる
・身体的な影響は少しは出ると思うが、奇形児がたくさん生まれるなどのようなことはないと思う
・遺伝的影響は5世代以上先、人より少し足が遅い、少し計算が遅い、などほとんど気が付かない程度ではないか
【放射線の影響に対する考え方】
・しきい値はないと考える。原爆被曝者の調査では人数が足りず証明ができなかっただけ。それを金科玉条にして「100ミリ以下では影響はない」とする考え方には怒りを覚える
・内部被曝に関しては、わからないことが多い
・労災認定の基準と、ウクライナで話を聞いた経験から、汚染地域において移住できないなどの理由による我慢レベルは年間で5mSvと考える
【自然放射線と人工放射線】
・自然放射線と人工放射線に区別はない
・セシウム低減の為に農地にカリウムを入れると、セシウムは減るが放射性カリウムが増えるので良くないのではないか
・ETVでも出た赤宇木の集会所にいた人達のうち、WBCで唯一セシウムが出なかった女性がいる。問診すると1日1本以上バナナを食べていた。カリウムによって体内が除染されたのではないかと思う(カリウムの値は他より高い)
・バナナに関して、食べ過ぎは良くないが1日1本程度なら良いのでは
【食品の新基準】
・栄養学の専門家なども交え、摂取量によって細かく設定をすべき。1年経って、なぜこれだけのことしか出来ないのか
・給食について、40Bq/kgを基準にするよう政府に進言したのは私。ウクライナの基準値を踏まえこの程度なら大丈夫と考える
・5分で6Bq/kgまで測れる測定器を作った、機械が無いから測れないというエクスキューズをなくしたい、広く普及させたい
【福島での活動】
・原発から28km、志田名地区では年配の方が協力して50mメッシュの汚染地図を作った
・北部と南部で汚染が違う、北部は雪が降り南部は雨が降ったと教えてもらった。これこそ市民科学者の活動
*さいたま市の汚染を基準に、個人的に質問したこと*
Q:子供に外遊びをさせても大丈夫?
A:問題ない、大いにさせた方が良い、制限する弊害の方が大きい、気になるようなら帰宅後シャワーを浴びるなどすればよい
Q:地質的に元々高い地域と、事故の影響で高くなった地域では、同じ値でも影響が違うのでは?
A:一緒だと思う、吸入による内部被曝は気にしなくてもいい
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以上です。